6月21日今日、約10日間の出張から帰ってきた。これは、そんな出張に出発する前夜に起こったこと。
ずっと距離を置いていた
彼女からの待ちに待ったリアクションだった。
6月9日、明日からの出張に備えて部屋の整理や荷物の準備も終わり、寝ようと思いつつもなかなか寝付けづにいた僕はウィスキーを一杯飲んで気分を落ち着けていた時だった。
突然、携帯の音が鳴る。時間は深夜の2時過ぎ。
ディスプレーを見ると彼女からだった。
電話に出る僕。彼女の久しぶりの声が耳に心地よかった。
「もしもし、どうした?」
「ごめんね。寝てた?」
「あと少し後だったら確実に寝てただろうね。それで?何かあった?」
「えとね、とくにはないんだけど。なんか寂しくなっちゃって。電話したの。」
聞けば、彼女は友達と飲みに行ってて一人で部屋に帰って来てから無性に寂しくなって僕に電話したらしい。
僕は以前、都合のいい男のように考えられてるのではないかと思ってからは、正直そんなに彼女に固執するつもりはなかった。
新しい出会いがあればそれでいいし、彼女が俺のことを再認識してくれるんだったらそれでもいい。だからこれは、後者のリアクションだと思った。
内心でガッツポーズをとった。嬉しかった。
彼女は俺からの連絡が無くなって俺の優しさに気付いたのかもしれない。はなはだ自意識過剰だがわずかながらそこに活路を見出していた僕は素直に嬉しかった。
「友達とかなぁ彼氏できたりとか、なんか急に寂しくなったの。」
「それで?君はどうして欲しいの?俺にそばにいて欲しい?」
「そら君明日仕事なんやろ?しかも朝から」
「そんなことはどうでもいい。君の気持ちを聞きたいの。来て欲しい?そとも電話だけでいい?どっちがいい?」
「そりゃ、来て欲しいけど、うちは明日休みだけどそら君にそんな無茶は言わないよ。」
「わかった。じゃあ行くよ。ちょっとかかるけど待っとき。」
「え?本気で言ってるの?いいの?」
「少し時間はかかるけどね。今から行ってあげる。」
「うん。じゃあ待ってる。」
軽く仕度をして、彼女の部屋に向かった。
彼女の部屋に着くと、彼女は笑顔で出迎えてくれた。
てっきりほろ酔いかと思ってたらほとんどシラフだった。
深夜の面白くもない番組を見ながら、飲みながらいろんな話をした。
時間はとっくに3時を過ぎていて、ずいぶん前から彼女は眠そうにあくびをしていた。
眠そうな彼女に膝枕をしてあげると、あっという間に寝始めてしまった。
「まったく、進歩のない事はなはだしいな。ほら。」
彼女をお姫様だっこしてベットに運ぶ。
「これ、なんか気持ちいい。」
「それ前にも聞いた。寝るまでそばにいてあげるから。鍵はポストにいれとくし。ゆっくり休んだらいい。」
ベットに彼女を横にする。
彼女の腕が僕の頭を抱え込む。
キスをする。
そのまま絡み合う。
今日は途中で止める気は無かった。
何度もキスをしながら、彼女の性感帯を探していった。
ゆっくりと時間をかけて、反応を楽しみながら。
指が下を刺激し、唇が太ももに達した時。
彼女はいきなり、真剣な顔で深刻な口調で言った。
「そら君は、うちのこと好きなの?」
ただヤリたいだけの男に体は許さない。ましてや初めてなど。
そんな感じだった。その声は少し怖いくらいだった。
普通ならここまで来ていまさらそんなこと言うの?って感じだろうけど彼女は、そういう子だ。今まで何度もそれに振り回された。
少し変わってる。
けど、僕だってそんなに適当な気持ちではない。
「知らなかった?俺はずっと好きだったんだよ。じゃなきゃ夜中の2時にわざわざ来ないさ。」
「ほんとに?」
まったく、この子は。なんかトラウマでもあるんだろうか。
隣に寝ころび腕枕をする。
やさしく髪をなでながら、キスをする。
「ただ、セックスしたいだけなら今まで何度もチャンスはあったよ。それより、俺としては君の気持ちが知りたいな。俺のことどう思ってるのか。」
とうとう、聞いてしまった。
「俺はね、相手も俺のこと好きじゃなければ好きになれないんだよ。君は俺のこと好きなの?それとも
はやしが忘れられないの?」
「・・・・わからない。」
彼女は、一生懸命考えながら目に涙を浮かべながら話した。
「そら君のことは好き。ほんとなの。信じて。けど、自分の気持ちが分からない。」
「いいよ。それでも。無理に考えなくていい。」
ねぇ、知ってる?それはlikeで、loveじゃないってことだよ。
君は、彼を忘れられずに、僕は君の寂しさを埋める存在なんだよ。
だって、君は僕のこと興味ないじゃないか。僕の考えてることなんて考えてもいない。
だから、こんな関係になったんだよ。
君が誰か隣にいて欲しい時に僕はそばにいて、君の髪をなで、キスをした。
眠るまで隣にいて。同じ布団で何事もなく朝を迎える。
君にとって僕はそういう存在なんだよ。ときめきとは違う。
「そら君は私と付き合いたいの?」
「どうかな。君が僕のことを好きになってくれたら、世界の誰よりも愛してあげる。けど、僕も頭が固くてね、好かれてもいない子と付き合おうとは思わないんだ。それがずっと彼女のいない理由さ。」
好きになった子は俺に興味も示さず、そうでない子が俺を好きになる。
世の中はうまくいかない。
もっと簡単に考えれればいいんだろうけど、昔からこうだった。
「その、あの、そら君がしたかったらいいよ。最後まで。」
「いや、止めておこう。君の気持ちがすっきりするまで。その時まで大事にとっておいたほうがいい。それまでは今の関係でいい。」
「いいの?」
「いいよ。」
君が寂しい時、僕はそれを埋めに来る。君の隣で君の髪をなでている。
自分でも少し格好つけすぎと思わないでもないけど、これも俺の性分。
不器用。
「けど、君が俺の事好きになった時には、俺は他の人を好きになってるかもしれないけどね。」
僕も寂しいんだ。
だから、急いで。
ってことは帰ってきたのねー。
出張お疲れー。
かーっ、あまいねぇ…
甘やかすのはあたしだけにしてくれよぅ。
今から電話でもします。