30分経過。
依然連絡はつかない。
携帯社会の世の中で連絡がつかないのが
こんなにも不安になるなんて
まだ寝てるのかな。 メールとどいてるかな。
なんかあったんじゃないかな。
看護師やから急患で呼び出されてんのかな。
想像は尽きない。
しかも大抵わるいほうにいってしまう。
しばらくして携帯の着メロがなった。
彼女からのメールだ。
「用意できました。いつでもいいよん。」
ん?
これは俺のメールは見てないな。
とりあえず押し出されるのを期待してメールをおくる。
電話は・・・つながった!
・・・・・なんで出ないの!
留守電に切り替わり電話を切る
それからも何度も掛けなおし、やっとつながって
「今どこ?」
ってたずねて。
「え?いま、うち。」
っといわれた時はさすがに。
なんでやねん!と突っ込まざるをえなかった。
やっと会えたとき、メールを見た彼女は何度も謝った。
「ごめん。本当にごめん。」
時間は4時をかるく過ぎてた。
いいよ。なんもなくてよかった。
しとしと降る雨の中を、だべりながら歩き。
我が家にたどりつく。
戦前に建てられたらしいボロボロの家。
まさか女の子を呼ぶとわ思ってもいなかった。
部屋の中は寒かった。
コタツをつけっぱにしといてよかった。
「寒いやろ。コタツついてんで。」
「では、お言葉にあまえて。」
来る途中にビールとお菓子を買い
宅配ピザをまってDVDをみる。
映画を2本見おわりテレビを見だした
用意してたワインとチーズを飲みながら色々話をした。
仕事のこと。
家族のこと。
恋愛のこと。
俺は彼女が
最近まで好きだった人をまだ引きずってるのか聞いてみた。
意外と淡々と話す彼女。
結構遊んでる人なのに、なぜか惹かれてしまったこと。
好きだったのか、ただの憧れかわからない事。
(まだ好きなんやな。)
けど、彼女は忘れようとしているらしかった。
かなわぬ恋。遊び人の男。嫉妬深い彼女。友達グループの一人。
マイナス要素は確かに多かった。
たとえ付き合っても、彼女は彼の遊び癖を許せないだろう。
だから、あえて何も言わなかった。
ワインが空いたら、簡単なカクテルを作った。
しばしば仲間内の宴会場に使われる我が家はお酒のストックもなかなかで
趣味でひととおりのお酒を置いていた。
一部では「居酒屋 そら」でとおってたらしい。
それから先は、なにを話したかはあんまり覚えてない。
仕事の愚痴を聞いてもらったり、アドバイスしたり。
ほとんどがたわいも無い話だった。
1時を過ぎると彼女がコタツで寝だした。
まったく。
彼女に毛布を掛け、寝床の用意をした。
この地域の朝晩の冷え込みは半端じゃない。
すでに現在ファンヒーターもフル稼働していた。
布団に電気毛布。
これなら大丈夫かな。
つぶれてる彼女をお姫様抱っこで寝床に寝かす。
こういう時は鍛えてて良かったと思う。
「なんかこれ気持ちいい。」
はいはい。 意外と軽かった。
「ごめんね。重いでしょ。」
「ぜんぜん、ちゃんと食ってんのか?」
「えへへ。ありがと。」
くっそー。かわいかった。
彼女はすぐに表情にでる。
屈託のない笑顔は胸をキュンとした。
こりゃ、ときめいてるな俺。
すこし、嬉しかった。
明かりを豆電球だけにして彼女の寝顔を眺めてた。
眉毛が半分なかった。(笑)
天邪鬼で照れ屋の彼女はじっと顔を見さしてくれなかった。
ここぞとばかりに寝顔を観察。
でも、すこし複雑な気持ちだった。
無防備すぎるだろ。おい。
信頼されてるんだろうけど。
おかげでお兄さんは天使と悪魔が取っ組み合いですよ。
寝れやしねぇ。
どう思ってるんだろう。俺のこと。
嫌いではない。それは分かる。
二人っきりで男の部屋で映画見て
その後飲みながら何時間も話して
しまいには酔いつぶれてねむる。
友達に話したら、それでなんもなかったの?と言われそうだ。
俺だったら言う。
しかし、自分がこういう状況になるとなんにもできない。
ドウオモッテルノ?
何度も頭の中を駆け巡る。答えはでない。
ああもう!
そんな男の葛藤もしらないですやすや眠る彼女。
なんか悔しいな。
こっそりキスした。
すると彼女は寝言のような何かを言いながら俺の頭に手を回してきた。
ん?
もしかして起きてる?
確かに、彼女は俺よりお酒に強かったはず。
ううむ、どっちだろう。
「起きてんの?」
率直にきいてみた。
無反応。
また混乱してきた。
というよりは頭の中の悪魔君が優勢に立ち始めた。
(じつは起きてて、俺の反応みてるんじゃないの?)
(というより、素直じゃない彼女は俺が来ることを待ってるんじゃないの?)
(誰がどう見たって、この状況で何もないなんておかしいだろ。)
都合のいい想像に拍車がかかるも、理性派の俺の政権は取れなかった。
寝よう。
とはいえ、布団はない。コタツか彼女の横か。
悩んだ。起きて俺が隣に寝てたらどう思うかな。
ううむ、いたいけな青少年を苦しめた罰で
添い寝くらいがまんなさい!
彼女の横にはいる。
もう一回こっそりキスする。
すると両手で俺の頭を抱え込んできた。
ええええ!
やっぱ起きてんの?
(彼女は俺が来るのを待ってたんじゃないか?)
さっきの悪魔君がついに政権を奪還した。
キスをする。
耳や首筋を舐めると、明らかに反応していた。
反応を確かめながら少しずつ攻める。
愛しかった。素直な反応がうれしかった。
ブラのホックをはずすと彼女が小さくつぶやいた。
「ハヤシィ」ん?
「はやし?」
「ハヤシィ」
はやし?林?
もしかして、好きだった彼の名前?
聞いたことなかったからわからないけどそんな気がした。
「林じゃなくてそらやで。」
「そらくぅん?」
わからない。
そんな表情だった。
なんだそれ。
なんだそれ。
なんだよそれは!
俺じゃなかったのかよ。
俺じゃ・・・なかったのかよ。
泣きそうだった。
下手に告白して振られるよりショックだった。
彼女はまだ分かってないようで
「はやし?」
何度も呼んでた。
つらかった。切なそうに言う彼女が。
目に涙がにじんできた。
男は好きじゃなくてもセックスはできる。
実際したこともある。
いつもなら高ぶった気持ちを抑え切れなかったかもしれない。
女性にはわからないかもしれないけど、
好きでもない子だったら。抱いたかもしれない。
男はそういうもん。
けど、この子は無理だった。
その男が憎くかった。
自分が情けなかった。
こんな失恋きついよ。
「・・・ごめんな。」
彼女の服をなおしてベットを出る。
眠れそうもない。
もう一杯のんで無理やり寝たかった。
「そら君まだ起きてんの?」
不意に後ろから声をかけられ
ドキッとした。
どう反応すればいい?
「失恋のいたでを癒してんの」
できるだけいつもどおりにした。
「なにそれ?寝れんの?しかたないなぁ。特別に隣においで。」
さっきとは違ってはっきりといつもの彼女だった。
しかし、普通過ぎる。
「まさか、ほんの数分前のこと覚えてないの?」
「え?なに?なんかした?」
・・・・・・。
あったまきた!
「はやし。ってだれ?」
「え?何で知ってんの?」
「何度も呼んでたよ。この前いってた彼?」
「うん。 ねぇ、ほかに何か言ってた?」
やっぱりかぁ。
今考えると
ハヤシィからその彼を連想できた自分にびっくりだ。
さっきまでの状況を説明した。
彼女はみるみる取り乱していった。
「え?え?どこまで?まさか・・・」
「大丈夫だよ。最後まではしてない。」
「全然覚えてない。ショックやわ。自分が情けない。ごめんね。」
やめてくれ
「謝るなって。よけい惨めになるやろ?つうか俺が謝るほうだろ。
どっちかといえば。」
「けど、なんでそうなったん?そら君でもそんななるんやな。」
はい、あったまきた。
「あのなぁ。この状況でまったく意識しない男がいたら病院いったほうがいいぞ。」
「でも、友達やんか。」
・・・・。
なにげない一言が胸に突き刺さる。
そっか。やっぱりか。
また、男にも見られてなかったんか。
だよね。普通なら少しは意識するわな。
あんだけ安心して飲んで寝られたらその時点で気づけよな。
あほやな。おれ。
あまりにも男をわかってない彼女。
聞いてみたら、男性との経験はなかったらしい。
よかった。やめといて。あんな喪失はいやだろうしなぁ
しかし、だからこそ心配になる。
そこから説教がはじまった。
「よく聞きなさい。普通の男ならあの状況ではやめないからね。
無防備すぎるぞ。まじで。男は信用したらいかん!」
「男の人は好きじゃない人でもエッチできるって言うもんねぇ」
「せやで、俺がどんだけ葛藤したか!」
「あはは、ごめんなさい」
話は「はやし」にもおよんだ。
「そこまで好きだったら正直に気持ちを伝えたら?そこまで恋焦がれてるんなら
伝えなきゃ。後悔するだけだよ。友達のままでいいってのはよくわかる
けど、それじゃ前には進まないんだって。」
彼女もそれは分かってる。
でも勇気がでない。
わかってる。
おれもそうだから。
だからこそ背中をおしてあげる。
次に進むためにも伝えなきゃ。
「弱音聞くくらいなら無料できいてあげるで。」
「ありがとう。どっから有料なん?」
「ん?そうやな、彼の身代わりからかな。」
もとの雰囲気に戻ってた。
結局
またいつものパターンだった。
「もし、仲良くなって好きになって、やっと気持ちに気付いたときには
彼女には好きな人がいて、相談されたり・・・
そんで励まして、手伝いまでして。
もう、あんな思いはしたくない。 」4/7それだけ。抜粋
見事なまでの「いいひと」だった。
しばらく話して同じ布団で寝た。
心なしか彼女が甘えるようにみえた。
でも、もう意識はしない。ここまで異性に見られてないんじゃ
さしずめ「おっきなクマのぬいぐるみ」感覚だろう。
全然わかってないなコノヤロウ。
意外と早く起きた。彼女も同じくらいに起きたらしい。
腕枕してた腕は意外となんともなかった。
「おはよう。」
普通なら恋人どおしが交わすようなあいさつを交わす。
すこし嬉しいのが悔しかった。
そのあと、テレビ見たり二日酔いの俺を看護してくれたり
だらだらした休みを満喫していた。
昼も過ぎた頃に「はやし」の話になった。
「はやしとはこんな感じになったことないの?」
「・・・・なんで名前知ってんの?」・・・・はぁ?
夜のあの本音トークまで完全に記憶にない彼女
あっきれた。
「あのねぇ・・・・」
同じように取り乱し、そして同じように説教を受ける彼女。
なんだこの休日
春はまだ始まったばっかりだった。
いや、待ちたまえ!
お前、それ説教してる場合か?
いや、まぁいい。
そんくらいであきらめんな!
友達から彼氏への道もあるじゃないか。
友人としてものすごい応援したる。
つーかほかの訪問者の方に
こういうコメントの残し方って
ひょっとして迷惑?
公私混同極まりない?
申し訳ないな・・・